Healthcare Starup Life

米国を中心としたヘルスケアスタートアップ関連の話題について、メディア記事をベースに備忘録的に書きます

GV(Google Ventures)などから4000万ドルを調達したメンタルヘルス関係スタートアップのQuartet

先月、GV(前Google Ventures)をリードインベスターとして4000万ドルのシリーズB資金調達を発表したヘルスケアスタートアップのQuartetについて調べてみました。

 

 

Quartetは精神疾患を持った患者の治療が円滑に進むための患者、プライマリーケアプロバイダー、行動療法の専門医をつなぐためのプラットフォームを提供しています。

対象としては、うつ病やドラッグ、アルコール依存症などの精神・行動関係の疾患が挙げられています。行動療法は専門性が高く、専門医の中でも治療が細分化されている上に、医師の絶対数も不足しており、患者が適切な治療を受けることが難しい環境にあります。同社のサービスは、患者の状況に応じた最適な専門医とのマッチングや、エビデンスに基づいた治療ガイドライン等の医師への提供を通じて、治療効果を高めることを目指しています。また、患者は無料で専門医とオンラインで相談できたり、治療プログラムを受けることができるようです。

 

 

同社は2014年に、Harvard Kennedy School(公共政策大学院)出身で、約10年間投資会社で投資や投資先企業を支援してきたArun Gupta氏によって立ち上げられました。ちなみに、同氏はUnicornであるPalantir(ビッグデータ解析のスタートアップ)のアドバイザーにも就いています。

2015年3月には、ヘルスケア・金融関係のテクノロジースタートアップへの投資に特化したVCのOak HC/FTをリードインベスターとして700万ドルを資金調達しています。OAK HC/FTの他にも、ヘルスケアスタートアップに多数投資しているPolaris PartnersやF-Prime Capital Partnersからも投資を受けています。

 

マネタイズはざっと調べた限りではよくわかりません(すみません)。現時点では患者は無料でシステムを利用できるようなので、行動療法専門医や保険会社(早期の的確な治療が医療費の削減につながるという理屈)などから利用料か登録料を徴収している(か将来的には課金する)のではないかと思います。

 

同社はデータサイエンスやエンジニアリングに力を入れており、GoogleやAmazon出身のエンジニアや、医療分野のデータサイエンティストなどの人材採用を強化しています。従来の治療方法や専門医への紹介の仕組みをデータ解析等を通じて最適化させていくことが差別化につながるということでしょうか。

 

米国のようにプライマリーケアと専門医が分業しているからこそ成立しているモデルだとは思いますが、精神疾患分野は比較的専門性が高い分野かと思いますので、十分応用可能なモデルかと思います。